CTIとは
CTIとは比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index)の略称で、耐トラッキング試験によって決定される。トラッキングは絶縁材料表面上の電位差にある部分に炭化導電路(トラック)か形成され、絶縁材料が絶縁性を失う現象で、トラッキングに対する抵抗性(耐久性)を耐トラッキング性という。
比較トラッキング指数を決定するのはIEC-112に定められた試験方法がベースとなり、UL-746Aの試験もこれに準じたものである。試験は4mmの間隔を取った2つの電極を接触させたサンプル上に0.1%NH4CL水溶液を50滴滴下し、トラッキングを起こさない最大電圧の数値をCTI値とする。
実際の製品に組み込まれたトランスやコイルでは、最外装の絶縁テープの表面に湿気(水分)、塩分、ほこり等が付着した所に漏れ電流が流れてトラックが発生することが多く、トラックができ絶縁が失われると火災等の原因になりうる。
これを防ぐにはCTI値の高い絶縁テープを使うことがひとつの手段となる。